食品添加物の乳化剤とは?アレルギーや危険性、大豆由来は安全?
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あなたは食品添加物である乳化剤を知っていますか?
乳化剤は、洗剤や化粧品といった自分達の身近にある様々なものに使用されています。
それは食品も例外ではありません。
乳化剤はパンやコーヒー飲料、チョコレートなどに含まれている食品添加物です。
では、身近にある様々なものに使用されている乳化剤が、一体どういったものかは知っていますか?
食品では原材料名の表示欄に「乳化剤」と記載されていますが、見たことがあるというだけで
- 何から作られているのか?
- どういう効果があるのか?
などを知らない人が多いかと思います。
乳化剤は、日々食べている食品にも含まれているため、自分達が口にしているものが、安全なものなのかどうかくらいは知っておきたいですよね。
今回は乳化剤とは一体何か、大豆由来の乳化剤とは何か、その用途や効果、食物アレルギーとの関係性、乳化剤の危険性について説明します。
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目次
乳化剤とは
油と水を混ぜると、どうなりますか?
そう、油と水は混じり合いません。
そういった本来ならば混じり合わないものを混ぜ合わせることを「乳化」と呼びます。
乳化剤とは、乳化する働きを持つ食品添加物のことです。
乳化剤には様々な種類があります。
日本で食品に使用されている主な乳化剤は、
- グリセリン脂肪酸エステル
- ポリグリセリン脂肪酸エステル
- ソルビタン脂肪酸エステル
- プロピレングリコール脂肪酸エステル
- ショ糖脂肪酸エステル
- ステアロイル乳酸カルシウム
- ステアリン酸カルシウム
- レシチン(植物レシチン、卵黄レシチン)
- 酵素分解レシチン
- 酵素処理レシチン
- カゼインナトリウム
の11種類もなります。
このうち、
- グリセリン脂肪酸エステル
- ポリグリセリン脂肪酸エステル
- ソルビタン脂肪酸エステル
- プロピレングリコール脂肪酸エステル
- ショ糖脂肪酸エステル
- ステアロイル乳酸カルシウム
- ステアリン酸カルシウム
の7種類は合成添加物です。
天然添加物なのは、
- レシチン(植物レシチン、卵黄レシチン)
- 酵素分解レシチン
- 酵素処理レシチン
- カゼインナトリウム
の4種類です。
なお、乳化剤は一括表示が認められています。
そのため、どの種類の乳化剤を何種類使用しても、原材料名の表示欄には「乳化剤」としか記載されません。
原材料名を見てもどの乳化剤が使用されているのかは分からないんです。
食品添加物「乳化剤」の用途や効果
では、その乳化剤にはどのような効果があり、どういった用途でどんな食品に使用されているのかを見てみましょう。
乳化作用
先程も記述したように、本来であれば混ざり合うことのない物質や成分を混ぜ合わせることを「乳化」と呼びます。
牛乳、乳飲料、アイスクリーム、クリーム類、バター、マーガリンなどは乳化させるために乳化剤を使用しています。
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分散作用
粉末などの粒子状の個体を沈殿させずに、液体に混ぜ合わせることを「分散」と呼びます。
粉末コーヒーや粉末ココアはお湯に溶かして作りますよね?
あれは、粉末コーヒーや粉末ココアをお湯に「分散」させて作っていると言えます。
缶コーヒーや缶ココアも粉末コーヒーや粉末ココアと同様、分散作用を利用することで製造されています。
チョコレートは、乳化剤を使用して粉末ココアと砂糖をカカオバターに分散させ、それを固めて作られています。
湿潤作用、浸透作用
個体の表面を液体に濡れやすくすることを「湿潤(しつじゅん)」と呼びます。
また、液体を染み込みやすくすることを「浸透」と呼びます。
粉末コーヒーや粉末ココアなどは、この湿潤作用が働くことによってお湯などに溶かしやすくなるんです。
なお、チューインガムが歯に付着しにくいのも、この湿潤作用の働きによるものです。
可溶化
細かい粒子を分散させることで、本来ならば水に溶けにくい性質を持つ不溶性の物質や成分を水に溶けたかのような状態に変えることを「可溶化」と呼びます。
起泡作用、消泡作用
空気を含ませて泡を作り出すことを「起泡(きほう)」と呼びます。
起泡作用は表面張力(表面をできるだけ小さくしようとする性質)を低下させることで、液体と空気が触れる面積を広げ、泡を保護して破れにくくするための膜を作る働きも持っています。
また、起泡作用とは逆に、泡立ちを抑制したり泡を壊すことを「消泡(しょうほう)」と呼びます。
スポンジケーキやホイップクリーム、アイスクリームはこの起泡作用を利用して作られています。
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洗浄作用
湿潤作用と浸透作用の働きによって溶液などの液体が染み込み、乳化作用と分散作用によって汚れが溶液などの液体中に分散されることを「洗浄」と呼びます。
洗浄作用は主に洗剤などに使用されます。
離型作用
食品を製造する際に使用する機器から、食品を離すことを「離型(りけい)」と呼びます。
焼き菓子などを作る際に、焼き型から菓子を取り出しやすくするために使用されます。
焼き菓子の他に、練り製品などにも使用されます。
このように一口に乳化剤といってもさまざまな用途があり、添加されている食品によってその用途は違います。
乳化剤(大豆由来)の意味は?
大豆由来の乳化剤とは、植物レシチンのことを指します。
植物レシチンは大豆レシチンとも呼ばれ、大豆を原料として作られています。
乳化剤(大豆由来)と表示されている食品は、大豆を原料にして製造されている植物レシチンを「乳化剤」として使用しています。
乳化剤と食物アレルギー
乳化剤の原料は大豆だけではありません。
卵やショ糖、昆布などさまざまです。
ただ、卵や大豆はアレルギーを起こしやすい食品です。
乳化剤に使用されている程度の量であれば問題はないとされていますが、重度のアレルギーを持っている場合は、原料として使用された少量の卵や大豆でも発作を起こしてしまう可能性があります。
卵アレルギー、大豆アレルギーの方は注意しましょう。
なお、こういった場合は原材料名の表示欄の最後の方に「(原材料名の一部に卵、乳を含む)」などという記載がされている可能性が高いです。
アレルギーをお持ちの方は原材料名の表示欄を最後まで読みましょう。
乳化剤に害や危険性はあるの?
チーズなどの乳化剤には、リン酸塩が使用されていることがあります。
これも表示は「乳化剤」と一括表示のため、その製品にリン酸塩が使用されているかは定かではありませんが、リン酸塩は過剰摂取によって腎機能の低下などの副作用を起こす恐れがあります。
さらに、リン酸塩はカルシウムの吸収を抑制する働きがあるため、骨粗しょう症などの原因にもなります。
特に成長期の子供は骨の発育が阻害される恐れがあるため、過剰摂取はやめましょう。
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乳化剤(大豆由来)と表示されている「植物レシチン」の原料になっている大豆は、大量生産された遺伝子組み換え大豆である可能性が高いです。
遺伝子組み換え食品は、内臓障害や発がん性があるとの説もあるため、乳化剤の過剰摂取は控えましょう。
まとめ
いかがでしたか?
パンやコーヒー、チョコレートなどといった食品だけでなく、身近なさまざまなものに使用されている乳化剤。
この乳化剤にはいくつかの種類があり、その種類によってはアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
ですが、乳化剤に含まれる量はごくわずかです。
軽度のアレルギーであれば問題はないとされています。
アレルギーを持っている方はできるだけ避ける方が無難ですが、多少の摂取であれば問題はないとのことなので自分の体調に注意しながら摂取するようにしましょう。
なお、大豆由来の乳化剤であっても遺伝子組み換えである可能性が高いため、アレルギー持ちの方でなくとも過剰摂取は控えましょう。
何であっても過剰摂取は禁物です。
食品の危険性や添加物が気になる方は、ぜひチェックしてみて下さい
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