寝だめは逆効果!?睡眠負債とは?昼寝解消法や対策・チェック診断テスト
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あなたは、睡眠負債とは何か知っていますか?
文字から想像できるとおり、睡眠不足に関係ある言葉です。
睡眠不足を解消するには、
- 休みの日に寝だめをする
- 昼寝をする
- 仮眠をとる
これらが良いと思っていませんか?
ただ、寝すぎたり、昼寝や仮眠をしたりすると逆に眠くなってしまう…という方も多いかもしれません。
寝だめや昼寝、仮眠は、睡眠負債を解消できるのでしょうか?
ということで今回は、睡眠負債の危険性、負債を返済する対策法や解消法、睡眠負債のチェック診断テストを紹介します。
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目次
どういう意味?睡眠負債とは
今、テレビや雑誌などで話題の睡眠負債。
テレビでは、NHKスペシャルや林修の今でしょ!講座などで取り上げられました。
睡眠は人間の三大欲求の一つであり、生命活動を維持するにあたって、なくてはならないものです。
ただ、近年では、睡眠時間が不足している方がとても多いです。
睡眠負債というのは、睡眠が不足した状態が長期的に続くことにより、寝不足が蓄積していっている状況のことを指します。
ちょっとした日々の睡眠不足でも、積み重なることで睡眠負債になってしまうんです。
睡眠負債が危ない理由や危険性
寝不足くらい大丈夫、そう思ってはいませんか?
睡眠が不足することによって、身体的な影響はもちろんのこと、精神的にも大きな影響を及ぼすとされています。
病気の危険性や精神状態の悪影響
最新の研究では、睡眠時間が短いと、風邪をはじめ、認知症、がん、糖尿病のリスクが上がるという結果が発表されています。
睡眠負債になると免疫力や抵抗力が大幅に下がり、生活習慣病をはじめとした様々な病気を発症しやすくなります。
スタンフォード大学の睡眠生体リズム研究所の西野所長によると、
- 睡眠時間が7時間未満だと認知症のリスクが約1.6倍
- 睡眠時間が5時間未満だと風邪のリスクが約4.5倍
- 睡眠時間が6時間以下だと乳がんのリスクが約1.7倍
- 睡眠時間が5時間以下だと糖尿病のリスクが約2倍
このように睡眠不足により病気の危険性が高まるそうです。
マウスを使った実験では、睡眠負債があるマウスの方が、1ヶ月でがん細胞が2倍以上になったという実験結果もあります。
これは、がんを抑える免疫細胞が、睡眠負債により働きが低下し、がん細胞が増殖したと考えられています。
また、睡眠不足は、精神状態にも多大なる影響を及ぼすんです。
睡眠不足はホルモンバランスを崩壊させるため、うつ病や統合失調症などをはじめとした精神疾患を発症しやすくなります。
寝不足によって、命を縮めたり、精神状態に悪影響があったりするので、健康に長生きするためには睡眠が大切ということなんですね。
これは、睡眠をとると免疫力がアップするからです。
脳への危険性
睡眠不足は脳にも影響を与えるんです。
睡眠が不足しているからといって、急に免疫力や抵抗力が低下したり、鬱病などの精神疾患を発症したりすることは、あまりありませんよね?
こういった心身への影響というのは、睡眠不足を度重ねることでゆっくりと時間をかけて症状が現れ始めます。
ただ、脳の場合は、そうではありません。
数日間の睡眠不足で脳の機能性はどんどん失われていくんです。
例えば、睡眠時間が6時間の生活を14日続けると、丸2日間徹夜した場合と同じ程度にまで脳の機能が低下します。
それが、さらに少なくなって睡眠不足が5時間だった場合、缶の酎ハイを数本摂取した程度にまで脳の機能は低下します。
このように、脳の機能は多少の睡眠不足ですぐに低下してしまうんです。
脳の機能が低下することによって、集中力や注意力の散漫などを引き起こします。
車を運転する場合は、居眠り運転などにもつながりかねません。
太りやすくなる危険性
食欲をコントロールする「レプチン」と「グレリン」というホルモンが睡眠に関係あるんです。
脂肪細胞から「レプチン」という食べ過ぎを抑制するホルモンが出て、満腹感を感じます。
しかし、睡眠不足になると「レプチン」が減少し、食べ過ぎてしまうため太りやすくなってしまいます。
一方、食欲を増進させる胃から出るホルモン「グレリン」が、睡眠不足になると増大することも分かっています。
このように、睡眠負債の状態になると、食欲が増し、太りやすくなってしまいます。
経済効果が減少する危険性
睡眠負債に陥ると、脳機能に悪い影響が出てパフォーマンスが低下します。
平均睡眠時間が6時間半のバスケットボール選手が、睡眠負債を解消し8時間半の睡眠になったら、スリーポイントシュートの確率が上がり、走るタイムもアップしたという研究結果も。
睡眠負債を返済すると、身体のパフォーマンスが向上し、感情ややる気にまで影響するんです。
日本人は勤勉な国民性を持つため睡眠時間が短く、先進国の中でもトップ3に入る睡眠負債を抱えている国です。
日本は、睡眠負債により年間15兆円以上の経済損失を生んでいると言われています。
パフォーマンスの低下や意欲の低下、病欠、死亡などで、効率の悪い働き方をしているということです。
何時間寝れば睡眠負債を解消できる?
では、睡眠時間は、何時間とればいいのでしょうか。
ベストな睡眠時間は、人それぞれと言われていますが、最新の研究では、7時間~7時間半睡眠の人が一番長生きするという事が判明しました。
カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究では、7時間睡眠の人が6年先の死亡率が一番低い結果に。
睡眠時間が3時間の人は、7時間の人に比べて、6年先の死亡率が1.3倍高かったそうです。
睡眠不足になると免疫力が下がるので、身体に悪影響が出てしまいます。
睡眠負債に陥らないように、7時間は寝られるように心がけましょう。
しかし、年齢を重ねると寝る時間が短くなるといいますよね。
それは良くあることなので、仕方のない事。
この場合、睡眠時間は、5時間を切らないようにすることを心がけてください。
寝だめの効果は睡眠負債を解消するの?
人間の身体は、基本的に寝だめはできません。
長時間寝たから、長時間起きていられるわけではないんです。
例えば、丸1日寝たからといって丸1日起きていられる、といったことは基本的にはできないんですね。
ただ、寝だめをした後は長時間起きていられている気がする、といった方は多いのではないでしょうか?
あれは実際には、寝だめしたことにより長時間起きていられているわけではなく、寝だめして起きる時間が遅くなったことによって、遅くまで起きていられるからそう感じるだけなのです。
人間には体内時計が存在し、この体内時計は朝起きて太陽光が目に入った瞬間から始まります。
そして15時間後には、また眠くなるようにセットされます。
寝だめをするとしたら、週末に寝だめをする方が多いのではないでしょうか。
例えば、土曜日に寝だめをして昼の12時に起床したとすると、眠くなるのはその15時間後の深夜の3時です。
そして、深夜の3時に寝たとすると、日曜日の起きる時間は土曜日よりもさらに遅くなりますよね。
ここでは、日曜日の起床時間を午後の2時と仮定したとして、眠くなるのはその15時間後の早朝の5時です。
このように起きる時間がどんどん遅くなり、起きる時間が遅くなることによって寝る時間も遅くなってしまうんですね。
そして、月曜日は起きる時間が決まっている方が多いはず。
寝だめによって眠くならず、どれだけ遅く寝たとしても、“月曜日の起きる時間は決まっている”となれば、ここで睡眠不足が発生するんです。
このように寝だめでは睡眠負債を解消できず、それどころか睡眠のリズムが崩れて、さらなる悪循環に陥ってしまいます。
睡眠負債の対策法や睡眠不足解消法
寝だめは、睡眠負債の解消法にはなりません。
溜まってしまった睡眠負債は、1日2日では返済できないので、日頃から睡眠不足を解消できるように心がけましょう。
まずは、いつも寝る時間より1時間早く寝ることから始めることをオススメします。
では、早く寝る対策や質の良い睡眠をとる対策、睡眠負債を返済するためには一体どうしたらいいのでしょうか?
昼寝で解消
昼寝といえば怠けている、といった印象が強いですよね。
それもそのはず、日本は睡眠に関しての知識が結構遅れているんです。
海外では、昼寝の時間が普通にごく当たり前に組み込まれていたりもするんですよ。
昼寝の仮眠は、15分~20分くらいの時間を15時までに取ると良いと言われています。
しかし、30分以上の仮眠をすると、余計にだるくなったり、睡眠サイクルが狂うので注意してくださいね。
日光を浴びる
あなたは、朝をどうやって過ごしていますか?
朝起きたはいいけど、布団から出たくないと長時間もぞもぞしていませんか?
実は、自然な眠りを導く睡眠ホルモンである「メラトニン」を分泌するためのスイッチが入るのは、起床時なんです。
朝起きて日光を浴びることで、脳が朝がきたことを認識します。
ハーバード大学の研究では、朝の日光をたった15秒浴びるだけで、体内時計が改善するという研究結果も。
日光を浴びることによって、その14時間~16時間後、1日の活動が終わるくらいの時間帯にメラトニンの分泌が活性化するんです。
ブルーライトを避ける
人間は、メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンが分泌されることによって眠気を感じます。
パソコンや携帯電話などから発せられるブルーライトは、このメラトニンの分泌を抑制してしまうんです。
携帯などをいじっていると、暗い空間にいてもあまり眠くならないことがありませんか?
また、携帯のゲームやネットの情報を見ることで、脳が興奮し寝られないということもあります。
食事や飲み物
睡眠というのは、睡眠そのものの質が悪ければ、たとえ何時間寝ようが意味はありません。
良質な睡眠を自分に合った適度な時間摂ることが大切なのです。
そして、良質な睡眠を生み出すためには、食事がとても重要になります。
まずは、1日3食をきちんと食べましょう。
朝食は朝起きてから1時間以内に、昼食は12時~13時前後に定食など栄養バランスの整ったそこそこボリュームのあるものを、夕食は消化がいいものを遅くても就寝3時間前には食べ終わるようにしましょう。
寝る前にビールを飲むと寝やすいという方も多いかもしれません。
寝酒は良いのでしょうか?
スタンフォード大学の睡眠生体リズム研究所の西野所長は、「人にもよりますが1合くらいであれば良い」との見解です。
先生によっては、寝酒はダメという考えの先生もいるので、合わない人もいます。
寝酒をすると深い眠りにつけ、翌朝もすっきりするという人であれば合ってるので取り入れてみて下さい。
寝る前は、カフェイン入りの飲み物は避けましょう。
カフェイン入りのコーヒーなどは、眠気を覚ますと言われているので、寝る前に飲むと眠れなくなります。
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入浴で対策
夜寝る90分前に入浴するのがベスト。
お風呂に入ると体温が上がります。
例えば、40度の湯船に15分入浴した場合、体温が0.5度上がります。
これを元の体温に戻すためにかかる時間が約90分。
体温が高いと眠れないのですが、体温が急に上がると、深部体温は、より大きく下がろうとするんです。
なので、お風呂に入らない時より体温が低くなり、よく眠れるという状態になります。
時間がない場合は、足湯でも同じ効果がありますよ。
睡眠負債をチェックする方法
では、何を基準に睡眠負債だと判断すればいいのでしょうか?
あなたに睡眠負債があるかどうかをチェックできる方法があります。
実際に寝てチェックするので、お休みの日に行うと良いでしょう。
睡眠負債チェック法
窓からの光などの情報や時計を隠して、時間を気にせずに、いつも寝る時間に寝てみます。
朝、目覚ましやアラームを鳴らさずに、自然に起きた時間で睡眠時間を計測します。
この睡眠時間と、いつもの平均睡眠時間との差が多いほど、睡眠負債の可能性が高くなります。
平均睡眠時間と2時間以上のギャップがあると睡眠負債の可能性があり。
時間のあるお休みの日に、睡眠負債をチェックしてみて下さいね。
睡眠負債チェック診断テスト
今すぐ、睡眠負債であるかどうかを判断するチェックリストを紹介します。
自分の睡眠時間は足りているのかどうか、ぜひチェックしてみてください。
睡眠負債リスクチェック(中学生~)
中学生以降の方向けのチェックリストです。
大人やご年配の方が診断する場合もこちらのチェックリストで診断してみてください。
参照︰http://www.nhk.or.jp/special/sleep
子供の睡眠負債チェックリスト(幼児~小学生)
幼児~小学生までの子供向けのチェックリストです。
自分の子供は、睡眠時間がちゃんと足りているのか、ぜひチェックしてみてください。
参照︰http://www.nhk.or.jp/kodomo-pj-blog/article/277625.html
まとめ
いかがでしたか?
睡眠負債がどういったものか、その対策や解消法についても理解できたかと思われます。
日本では昼寝をしていたら「寝てばっかりいるな」「怠けるな」などといって怒られることが多いですが、実は昼寝は睡眠不足を解消するためにとても大事な行いなんです。
今日は休みだから、時間があるからと寝だめをしたりはせずに、毎日規則正しい時間に寝ることで起きる時間をコントロールしましょう。