果物ジャム作りに使うペクチンとは?食品添加物の危険性や効果・使い方
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あなたはペクチンを知っていますか?
ペクチンは食品添加物の一つで、ジャムやゼリーなどに含まれています。
ジャムなどのゲル化剤の役割を果たしていますが、他にはどういった使い方があるのでしょうか?
今回はペクチンの危険性や効果、ペクチンを含む果物や使い方、ペクチンを使ったジャムやジャム作りでのペクチンの代用品について説明します。
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目次
ペクチンとは
ペクチンとは果物や野菜、海藻など含まれている食物繊維の一種です。
食品添加物として、
- ジャムのゲル化剤(液体をゼリー状に固める)
- アイスの安定剤(形が崩れないように食品を接着)
- フルーツソースなどの増粘剤(ねばり気やとろみを出す)
に使用されています。
なお、食物繊維には「水に溶ける水溶性」のものと、「水に溶けない不溶性」のものがあります。
これらは、それぞれペクチンを抽出した果物によって違ってきます。
熟した果実からは「水に溶ける水溶性の食物繊維」が、未成熟の果実からは「水に溶けない不溶性の食物繊維」が採れます。
食品添加物のゲル化剤・安定剤・増粘剤ペクチンの危険性
現段階では、ペクチンは化学合成で作り出すことはできません。
つまりは、天然の果物や野菜、海藻などから採取しなくてはなりません。
食品添加物として使用されているペクチンは、果物や野菜や海藻から採取したペクチンを粉末状にして加工食品などに使用しています。
果物や野菜や海藻に直接的に含まれているペクチンも、食品添加物として使用される粉末状のペクチンも、元は植物由来のものとなります。
化学合成によって作られた食品添加物に比べて、危険性は少なく安全性が高いと言えるでしょう。
ただし、過剰摂取は禁物です。
特に1日の摂取量は決められていませんが、大量に摂取すると下痢になることもあります。
胃腸の弱い方は、過剰摂取には気を付けましょう。
また、ミネラルやビタミンA、ビタミンD、ビタミンEの吸収を妨げることもあるので、サプリなどから摂取する場合は、飲み合わせに注意が必要です。
ペクチンの効果
では、ペクチンには一体どんな効果があるのでしょうか?
ペクチンは、食物繊維の一種だとお伝えしました。
ほとんどの食品の成分は、体内で消化酵素により消化され、小腸で吸収されて全身に行きわたります。
しかし、食物繊維は、体内の消化酵素で消化されずに、大腸まで達し排出されるので、腸内環境を整える効果などがあります。
あなたは、チェルノブイリ原発事故を覚えていますか?
放射能による内部被曝が問題となりましたよね。
実はこのペクチン、放射性物質を体外に排出する効果の可能性があるんです。
ベラルーシの研究機関「BELRAD研究所」より、「チェルノブイリ地区の放射性物質からの解放」という論文が発表されました。
これを、富山医科薬科大学の田澤賢次名誉教授が翻訳した論文では、「アップルペクチンが放射性物質除去効果に役立っている可能性がある」と書かれています。
ベラルーシ(最も被害を受けた地域)の子供達に、食事と共にアップルペクチンを摂取させるという実験が行われました。
結果としては、アップルペクチンを摂取しなかった子供達に比べ、摂取した子供達の体内に蓄積されたセシウム137 のレベルが平均 30~40%減少するといった結果になりました。
1996 年から 2007 年に亘り 160,000 人を超えるベラルーシの子供達に、18 日から25 日の期間にペクチン添加食品物(1 日に 5g を 2 回投与)を治療目的で服用させた。
その結果、ペクチン添加食品による治療毎に、子供達の体内に蓄積された Cs-137 のレベルは平均 30~40%減少した。
しかし、このペクチンがセシウムを排泄する効果に関して、否定的な意見もあるので、まだ研究段階と言えます。
アップルペクチンには、体内の放射性物質を吸着して排泄物と共に排泄する効果の“可能性がある”としておきます。
富山医科薬科大学の田澤賢次名誉教授は、「林檎の力~なぜチェルノブイリでは子供たちにアップルペクチンを投与しているのか」という本も出版されています。
もちろん、それだけではありません。
ペクチンは、腸内環境を整えて免疫力を向上させる働きもあります。
ペクチンは、善玉菌のエサとなります。
ペクチンを摂取して善玉菌を増殖させ、悪玉菌の繁殖を抑制します。
それにより、身体の不純物が取り除かれやすくなります。
また、食後は血糖値が上昇します。
炭水化物などの糖類は血糖値を上昇しやすくし、糖尿病の方はこの血糖値を極力上げてはいけません。
食物繊維であるペクチンには、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
それに加えて、脂肪の吸収を抑制して、コレステロール値を下げる働きもあるとされています。
ペクチンが多く含まれている野菜や果物
ペクチンをほどほどに摂取する分には、身体にいい効果がいっぱいなんです。
それなら、自然に多く摂れる野菜や果物から、摂取したいですよね。
それでは、どの食材にどのくらいのペクチンが含まれているのかを見ていきましょう。
野菜類
赤人参︰0.4mg/100g
西洋かぼちゃ︰0.3mg/100g
きゅうり︰0.4mg/100g
グリーンピース︰2.5mg/100g
じゃがいも︰0.5mg/100g
トマト︰0.3mg/100g
茄子︰0.4mg/100g
パプリカ︰0.6mg/100g
果物類
杏子︰0.7mg/100g
オレンジ︰0.6mg/100g
カシス︰1.1mg/100mg
さくらんぼ︰0.4mg/100g
すいか︰0.5mg/100g
すもも︰0.9mg/100g
葡萄︰0.6mg/100g
桃︰0.7mg/100g
洋梨︰0.6mg/100g
林檎︰1.2mg/100g
食品添加物としてのペクチンの使い方
ペクチンの食品添加物としての使い方は、何も一つではありません。
ペクチンの使い方には大きく分けて3つあります。
ゲル化剤
ジャムやゼリーを固めるといった、液体をゼリー状に固める目的で使用されます。
安定剤
食品は凍らせると、どうしてもシャリッとした食感があるものになりますよね。
果物系のアイスの場合は、シャリッとした食感が好きな方も多いですが、バニラやチョコレートなどの濃厚なものは口溶けを味わいたいですよね。
安定剤は、氷特有のシャリッとした食感を緩和させ、なめらかな舌触りのアイスを作るためなどに使用されます。
また、形が崩れないように食品を接着する時にも使われます。
増粘剤
フルーツソースや少しとろっとしたジュースなどのとろみは、増粘剤によるものです。
ねばり気やとろみをつけて、口当たりを向上するために使用されます。
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ペクチンを使ったジャム
あなたは、自宅でジャムを作ったことはありますか?
果物に砂糖とレモン汁を加えて漬け、煮詰めたら出来上がり。
そのはずが、市販のジャムよりとろみが足りない、といった経験をされた方も中にはいるのではないでしょうか?
それは、果物に含まれているペクチンだけだと、果物や砂糖の量に比べて量が足りていないからです。
では、自宅でペクチンを使用してジャムを作る場合は、どうすればいいのでしょうか?
まず、ペクチンでジャムを作るためには、糖度65%以上である必要があります。
65%には満たなくとも、糖度はなるべく高い方がぷるぷるとした食感になりやすいです。
なお、糖度が高いものの方が日持ちしやすいというメリットもあります。
ペクチンを使ったジャムの作り方
ジャムを作る際は、まず果物の準備をしましょう。
イチゴなどはヘタを取り除き、桃などの皮をむくものはむいて、切るものは小さく切りましょう。
イチゴなどをはじめ桃など、そこまでやわらかくない果物は、砂糖に漬ける前に水煮にしましょう。
ジャムを作るの場合は、短時間で仕上げます。
それにより、水煮にせずに砂糖を加えると上手くやわらかくならない場合があります。
果物に砂糖を加えて冷蔵庫へ
下処理が終わったら、砂糖を加えていきましょう。
砂糖は、フルーツシュガー、グラニュー糖、上白糖など、何でも大丈夫です。
ただし、上白糖よりグラニュー糖、グラニュー糖よりフルーツシュガーの方が美味しく作れます。
自分が作りたいジャムの甘さに合わせて選びましょう。
砂糖の量は、果物の重量の半分です。
つまり、果物が500gなら砂糖は250gとなります。
砂糖は、3回~4回に分けて加えていきます。
砂糖を目分量で3等分~4等分ほどに分けましょう。
果物を入れたボウルに、「1等分加えて⇒軽くもみ込む」のを繰り返しましょう。
もみ込んだらレモン汁を加えて、冷蔵庫で漬け置きします。
1日漬け置きできればいいですが、急ぐ場合は半日や数時間でも構いません。
粉末ペクチンを溶かす
なお、漬けている間にペクチンを溶かしておきましょう。
粉末ペクチンを使用する場合は、事前に溶かしておく必要があります。
鍋に120mlの水を張り、10gの粉末ペクチンをごく弱火で丁寧に溶かしておきましょう。
漬け置きした果物にペクチンを加える
浸け置きが終わったら今度は煮ます。
鍋に水を張り、漬け置きした果物を強火で煮ます。
アクを取りつつ沸騰させて、弱火もしくは中火で、少しとろっとするくらいまで熱します。
とろみが出たら、先程溶かしておいたペクチンを加え、2分~3分ほど弱火で煮詰めます。
ジャムは冷めると固まるため、好みの固さより少しやわらかいくらいの固さになったら火を止めましょう。
事前に煮沸消毒しておいた瓶へ、ジャムを熱いうちに流し込んで完成です。
ジャム作りに使うペクチンを購入
ジャム用のペクチンは大き目のスーパーなどで購入できます。
おすすめのペクチンを紹介します。
青森県産りんごペクチン
青森産のリンゴ100%で作られた粉末のペクチンです。
ジャムにも使えますが、ジュースやヨーグルトに混ぜてもOK。
10gでりんご1個分のペクチン980mgと食物繊維、ポリフェノールが摂れます。
私の台所 ペクチン 30g
リンゴ由来のペクチンを配合したジャム専用の凝固剤。
原材料:ペクチン(リンゴ由来)60%、クエン酸(無水)13%、グラニュー糖27%
パイオニア企画 お徳用ペクチン 50g
柑橘類の皮から抽出したペクチン。
手作りのジャムに使いやすく、5g×10袋の小分けの袋に入っています。
原材料:ペクチン25%、クエン酸1%、グラニュー糖74%
ジャムを作る時のペクチンの代用品
ペクチンの代用品は、レモンでも大丈夫です。
そしてもっと言うのならばペクチンもレモン、両方共なくても大丈夫です。
元々ジャムは、果物を砂糖で煮詰めて作るものです。
加熱するだけでも緩くはありますが、とろりとします。
スーパーなどで販売されているようなジャムのようにぷるぷるとさせる場合は、ペクチンが必要です。
ただし、その食感にこだわらないのであれば、ペクチンもレモンも両方必要ありません。
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まとめ
いかがでしたか?
食品添加物であるペクチン、それが何であるかがよく分かったのではないでしょうか。
ペクチンには使い方が3種類あり、ゲル化や安定剤、増粘剤といった用途で使われます。
その効果も、放射性物質を排泄する可能性から、腸内環境を整える作用まで身体にいい効果が沢山あるんです。
ただし、胃腸が弱い方は特に、過剰摂取は禁物ですよ。
スーパーで販売されているようなぷるぷるとしたジャムが好きな方は、ペクチンを使用して一度自宅で作ってみてはいかがでしょうか?
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