危険性や害は?アスパルテームが含まれている食品、妊娠中の安全性
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あなたは、ガムやプロテインの原材料名に「甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)」と記載されているのを見たことはありませんか?
この食品添加物「アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物」は、一体何なのでしょうか?
今回は、アスパルテームの害や危険性、妊娠中の摂取について、アスパルテームが含まれる食品などについて説明します。
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目次
人工甘味料のアスパルテームとは
アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンというアミノ酸から作られています。
この2種類のアミノ酸をメチルアルコールで結合させることで、アスパルテームになります。
アスパルテームの製造法を開発したのは、味の素で、特許も取得しています。
このアスパルテーム、なんとショ糖の100倍~200倍もの甘味を持つと言われている人工甘味料なんです。
少量で甘さを出せるためコスト削減ができ、カロリーを抑えることもできるので、企業にとって大変需要がある甘味料です。
アスパルテームの危険性や害は?
食品添加物は、「安全性が確認されているから、どれだけ摂取しても大丈夫」と思っていませんか?
日本で使用されている食品添加物は、危険性や副作用はあるのか実験が行われたり、1日の摂取量が決められたりしています。
アスパルテームの一日摂取量の基準値は、体重1kgあたり40mg。
体重50kgの人なら、一日2gということですね。
食品添加物の中には、副作用があってもコストの低さや大量生産がしやすいといった理由で使用されている物もあるんです。
アスパルテームは、これまで危険性の疑いがあり、研究や実験を繰り返してきた歴史もあります。
フェニルケトン尿症の方は注意
アスパルテームは、フェニルアラニンというアミノ酸が主原料となっています。
このフェニルアラニン、実は上手く代謝できない人もいるんです。
フェニルケトン尿症を患っている方です。
フェニルケトン尿症の方は、摂取してはいけません。
フェニルケトン尿症に対する警告として、アスパルテームに「L-フェニルアラニン化合物」と併記されています。
メチルアルコールの毒性
アスパルテームは、アミノ酸(アスパラギン酸とフェニルアラニン)をメチルアルコールで結合させて作られます。
メチルアルコールは、メタノールとも言われ、8~20gで失明、30~50gで死に至る刺激臭のある有害物質です。
誤飲や吸引によってメタノール中毒になると、頭痛やめまい、吐き気、視力低下、失明になります。
メタノールは、劇物だと思われますが、実は、果物や野菜にも微量に含まれているんです。
アスパルテームは、腸でメタノールに代謝されることが分かっていますが、その量は、果物や野菜ジュースから摂取する量より少なく、問題はないとされています。
アスパルテームの発がん性の疑い
過去には、安全性について、脳腫瘍やがん、白血病との関連が疑われてきました。
アスパルテームは、1973年にアメリカのサール薬品が食品添加物の許可申請をFDA(アメリカ食品医薬品局・日本の厚生労働省)に行いましたが、危険性を指摘する声が多く、申請は却下されました。
しかし、1981年レーガン政権が誕生した翌日に、サール薬品が再び食品添加物の許可申請を行うと、アスパルテームは1983年に使用が認可されました。
これは、アメリカの政治家ドナルド・ラムズフェルドが1977年にサール薬品の最高経営責任者になり、FDAの局長にアーサー・ヘイズを指名。
ドナルド・ラムズフェルドは、レーガン政権誕生のチームメンバーだったこと、アーサー・ヘイズがFDA退局後は、サール薬品に天下りしたことなどから、政治的圧力で許可された可能性が伺えます。
使用が認可されて以降、アメリカでは、アスパルテームを摂取した人々から、頭痛やめまい、視力低下、不眠などが起こったと苦情が寄せられました。
その理由は、体内でメチルアルコール(メタノール)ができたためだと考えられていました。
アスパルテームと脳腫瘍の関連性が指摘されましたが、1996年、FDAが、動物実験では再現しなかったので承認したと発表しました。
2005年、ギリシャで行われた研究では、アスパルテームは、神経障害や記憶障害を引き起こすことが発表されました。
高濃度のアスパルテームとその毒性が蓄積することが、学習や記憶処理を含む記憶の障害をもたらすと結論づけました。このギリシャでの研究では、アスパルテームの長期使用による影響のみならず、その過剰な摂取によっても記憶障害が起こることが明らかになりました。
発ガン性については、2007年アメリカで、生まれてから死ぬまでラットにFDAの一日許容消費量の2倍のアスパルテームを与え続けた結果、発ガン性の確立が上昇したという研究結果を発表しました。
しかし、EFSA(ヨーロッパ食品安全審査局)は、死亡率に差が無いことなどから根拠が不十分として反論。
イタリアの7000人以上を対象にしたアスパルテームの研究結果では、発ガン性が認められなかったと発表しました。
2015年に、日本アレルギー学会で、人工甘味料はアレルギー性気道炎症を悪化させるという研究結果が発表されました。
これは、人工甘味料「アスパルテーム」を喘息があるマウスに与えると、アレルギー性気道炎症を発症したという内容でした。
人工甘味料は用量依存性にマウスアレルギー性気道炎症を増悪させる
【結果】
ダニアレルゲン感作及び気道内投与により、好酸球を主体とする炎症細胞浸潤と杯細胞過形成を特徴とするアレルギー性気道炎症が発症した。
【結論】
アスパルテーム投与によりアレルギー性気道炎症の増悪が認められた出典:日本アレルギー学会
最近でも、2017年4月にアメリカのボストン大学医学部の研究チームが、アスパルテームに関する研究結果を発表しました。
これは、人工甘味料入りのカロリーオフ系の炭酸飲料を毎日飲むと、飲まない人に比べて、脳卒中と認知症のリスクが2~3倍高まるというものです。
この研究に使用されていた人工甘味料は、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムKでした。
このように、アスパルテームは、政治的に認可された背景や、安全性の論議を繰り返してきた歴史があります。
少量の摂取量だと問題はないかもしれませんが、全く危険性はないとは言い切れません。
危険性や安全性の研究もまだ不確定な部分もあるので、できる限り、アスパルテームの摂取を控える方がいいと言えますね。
アスパルテームで下痢の副作用
実は、人工甘味料で下痢になることがあります。
これはアスパルテームだけでなく、すべての人工甘味料に言えることです。
人工甘味料は、1日50g以上摂取すると腸から水分が吸収されにくくなります。
人工甘味料が原因で起こる下痢は、医療機関を受診しても原因を突き止められません。
医療機関を受診しても下痢の原因が分からない、下痢が治らないといった場合は、人工甘味料の摂取量を減らしてみましょう。
味の素が製造するアスパルテーム
味の素は、アスパルテームを主原料とした「パルスイート®」、「パルスイート®カロリーゼロ」という商品を製造して販売しています。
これらは、血糖値に影響を及ぼす糖類は使用せずに作られていて、糖類の摂取を控えたい方でも使用できるそうです。
原材料がアミノ酸のため、砂糖と違って虫歯などにもなりにくい傾向にあります。
ただし、名前が違うだけでアスパルテームであることに変わりはありません。
危険性もアスパルテームと変わらないため、できる限り摂取は控えましょう。
アスパルテームが含まれている食品
アスパルテームは、よく「カロリーが低い」または「ゼロカロリー」の飲食物に添加されます。
カロリーゼロのコーラやアルコール飲料が、多く販売されてますよね?
カロリーゼロにも関わらず十分な甘味がついているのは、アスパルテームが含まれているからなんですね。
カロリーゼロの飲料以外にも、ガムやプロテイン、清涼菓子、タブレット、キャンディーなどにも含まれています。
喫茶店やカフェで見かける、コーヒーや紅茶用の「カロリーオフシュガー」にも使われています。
人工甘味料は、アスパルテーム以外にも様々な種類がありますが、アスパルテームは数ある人工甘味料の中でも、多くの食品に使われているんです。
あの口臭対策でおなじみの清涼菓子に「アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物」が含まれています
⇒市販(ドラッグストア・コンビニ・薬局)の口臭サプリ・口臭対策グッズ比較で確かめる
コーラには発がん性があると言われているカラメル色素も含まれています。
⇒発がん性あり?食品添加物「カラメル色素」4種類の危険性、安全性は?
妊娠中にアスパルテームは安全?
妊娠中の方は、口にするものには気を付けたいですよね。
そんな中、さまざまな飲食物に含まれるアスパルテームは、摂取しても大丈夫なのでしょうか?
妊婦の方への人工甘味料の安全性は、非常に不確かなものです。
推奨摂取量を守っていたとしても、妊娠している場合は胎児に影響を及ぼす可能性があります。
推奨摂取量は、妊娠中でない大人を基準としているため、摂取量を守っても妊婦や子供は大きく影響がでることもあります。
アスパルテームの安全性や副作用が心配なので、摂取を控える方がよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今度ガムやプロテイン、タブレット、ゼロカロリー飲料などを見かけた時には、原材料名の表示欄を見てみてください。
もしかしたら「甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)」と記載されているかもしれません。
このアスパルテームは、味の素がパルスイートという商品名で販売していて、日常の料理でも使用することができます。
アスパルテームの安全性は、議論が繰り返されてきましたが、危険性の研究もまだ発展途上です。
確実に安全と言い切れない状況なので、できる限り摂取を控えたいものです。
特に、フェニルケトン尿症の方をはじめ、妊婦の方や子供は注意してくださいね。
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